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甲状腺について

 甲状腺とは、首の前方(前頸部)の中心より下方にあり、甲状軟骨(のど仏)の下に位置しています。形状は蝶々が羽を広げたような形で、気管の前方にあります。甲状腺ホルモンを生産し、分泌している内分泌器官です。甲状腺ホルモンは海藻などに含まれるヨードから作られ、身体の代謝を活発にする役割があります。

 

甲状腺の病気は大きく2つに分けることができます。

①甲状腺内に腫瘍(しこりのこと)ができる。

②甲状腺ホルモンが過剰となる、または減少し、身体に異常をきたす。

 

①甲状腺腫瘍

 甲状腺の病気は女性に多く、超音波(エコー)で女性の甲状腺を調べると5~10%の割合で何かしらの所見が認められると言われております。

 甲状腺が全体的に大きくなる病気として、橋本病、バセドウ病の他、腺腫様甲状腺腫、悪性リンパ腫などがあります。 部分的に甲状腺が腫れる病気には、痛みを伴う亜急性甲状腺炎などの炎症性疾患や、痛みのない良性腫瘍(濾胞腺腫など)嚢胞、甲状腺癌、腺腫様甲状腺腫などがあります。甲状腺が委縮して固くなる病気には、橋本病などがあります。

 

②甲状腺ホルモン異常症

・甲状腺機能亢進症

 甲状腺ホルモンが過剰になると、動悸、多汗、疲れやすい、手の震え、食欲亢進、下痢、体重減少などの症状が出ます。

代表的な病気はバセドウ病です。それ以外にも亜急性甲状腺炎、橋本病の急性増悪期、プランマー病、中毒性多結節性甲状腺腫などの病気があります。

・甲状腺機能低下症

 甲状腺ホルモンが減少すると、疲れやすい、顔や手がむくみ、太る、寒がりになる、便秘、皮膚の荒れ、脱毛、うつなどの症状が出現します。 代表的な病気は橋本病です。その他には中枢性甲状腺機能低下、ヨード過剰摂取などで機能低下を来たします。

 

甲状腺の病気の診断方法

①触診による診察

腫れの有無、腫れの場所を確認し、腫瘍があればその大きさ、部位、可動性の有無、圧痛の有無などを確認します。

 

②超音波検査

甲状腺の腫れの有無、腫瘤の有無、性状をチェックし、加療が必要か経過観察でいいかを確認します。甲状腺の病気に対して有効な検査です。

 

③血液検査

甲状腺ホルモン値(TSH、FT3、FT4)、自己抗体(抗TG抗体、抗TPO抗体など)、サイログロブリン、炎症の程度などを調べ、その値で病気の診断を進めていきます。

 

④細胞診(当院では行っておりません)

腫瘤の存在があれば、針を刺して細胞の一部を採取し、悪性か否かを調べます。

 

 当院においては、触診、血液検査、超音波検査を行い、専門外来に紹介するべきか否かを判断しております。頸部の違和感や痛み、圧迫感、しこり、健診で甲状腺腫大を指摘されたなど、相談してください。

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